ORCシステムが排気熱を回収する際のクリーンパワー

現代社会およびグローバル経済の鍵を握っているのは手頃で持続可能なエネルギーの供給です。

しかし、一次エネルギー生産は周辺を見回すとどこにでもある一方、熱の副産物の二次エネルギー源としての使用はほとんど注目されていません。最も効率が高く、それでいて手付かずのリソースは廃熱です。

多くの産業プロセスは非常にエネルギー集約型で大量の排ガスや廃棄物の流れを生み出しています。プロセスの非効率性と既存技術が廃熱回収不能とするために、現代の産業で使用される大量のエネルギーが直接大気に放出されるか、または冷却システムにて失われています。排熱からのエネルギー生成の効率性は廃熱源の温度によるため、廃熱回収を大規模に行うことは、実用的または経済的でないとこれまでされてきました。ほとんどの廃熱温度が300°F/150°Cに満たないのに対し、現在の技術で対応出来るのは中温から高温(500°F/260°C超)に限られています。しかし、より低温でも対応できる新しい技術が出現しつつあります。

ORC: 財務上現実可能

こうした出現しつつある技術の一つが、温度への要求度を下げるーガニックランキンサイクル(ORC)のであり、廃熱を回収して電気に変換することを経済的に可能なものにしています。ORCの運転原理は、発電所の蒸気タービンの運転を説明する定着したランキンサイクルの運転原理と同じです。閉回路に閉じ込められた作動流体は、まずボイラーに送り出され、そこで蒸発します。タービンを通過する際に、有機蒸気の液体は膨張し、最終的に再凝縮します。この過程には通常シェル&チューブ式熱交換器におけるクローズドウォーターループが使用されます。凝縮物が蒸発器に戻ると、熱力学のサイクルは完了します。蒸発は高温/高圧側で起こり、低温/低圧側で凝縮します。これは通常の冷却サイクルの反対です。

軸流タービンからピエストンまたはワンケルエキスパンダーまで、様々な作動流体(炭化水素または冷媒)とエネルギー変換器は、幅広い温度範囲での優れた性能をもつシステム設計への道を開いています。このことはまた、圧力低下に非常にセンシティブなシステム内のフロー容量、圧力、温度の複雑な組み合わせを取り扱わなくてはならない熱交換器製造者に困難な問題を投げかけます。従来、これにはコストのかかる大容量の特注ソリューションが必要とされてきました。今日、ほとんどのケースは大量生産されているモジュラ式ブレージングプレート熱交換器で解決されています。こうした技術的優位点により、簡易なスタート/ストップ手順、自動運転、最低限のメンテンナンス、半負荷での優れた性能、非常に信頼できる静かな運転が可能となっています。



日本の焼却炉でクリーン電力を生成


ORCシステム用熱交換器部品の開発は過去数年の間に加速化しています。特に日本では、その高度な技術と産業用エネルギーの必要性が、原子力発電への依存度を低下しようという要求と組み合わさり、この傾向が明らかになっています。日本に拠点を置く第一実業社がエルテック社から新しい廃棄焼却所でのORCシステム設置リクエストを受けたとき、同社のエンジニアは並外れた熱交換器が必要となることを理解していました。スウェップ社が選ばれたのは当然のことといえます。第一実業社とエルテック社は2011年後半以来、スウェップ社のことを知っています。しかし、長年スウェップ社は米国を本拠とする工場のORCシステムの中核部分を製造している会社である Access Energy と協力してきました。「私たちの協力関係は2012年4月に始まりました。それは弊社初のORC実演工場でした」と、第一実業社のプロジェクト担当エンジニアのイトウ・オサムは語ります。「エルテック社における最初の試験ユニットはB500シリーズでした」と、スウェップ日本の営業マネージャーのミサキ・セイイチロウは語ります。山梨県における私的焼却施設は、現在焼却プロセスで生産される熱い燃焼排ガスからクリーンな電力を生成しています。燃焼排ガスからの熱を取り除くためにORCシステムが使用され、これを電力に転換します。この電力は現場で使用することも、地元に販売することもできます。

「試験ユニットの成果が優れていたことから、第一実業社は生産能力を75キロワットから125キロワットに増大することを望み、さらに性能向上も希望しました」とミサキ・セイイチロウは語ります。スウェップ社はこれを実現することができました。「私たちは適切なBPHEを計算および選定する能力があります。また適切な能力を持つBPHEも備えています」と、ミサキ・セイイチロウは語ります。多くのプロジェクトにおいて、弊社は競合他社を打ち破ってきました。私たちは計算と選択に最も近い性能を示すことができています。この特別な工場については、スウェップ社の最も強力な熱交換器であるB649が選ばれました。「このプロジェクトは比較的小規模の工場ですが、多量の電力を生産します」とイトウ・オサムは語ります。「より多くの電気をというのが私たちの常に注力している点です」。

普通を超えた能力をもつ熱交換器

少なくとも2倍の能力を提供するB649は今日の市場における比較可能なすべての熱交換器の中でも最もパワフルなものです。そのコンパクトなサイズによりスペースが節約でき必要なパイプや連結器の数が少なくてすみます。スウェーデンで中核部品が製造されているB649は、地域暖房と冷却ネットワーク、HVACと産業プロジェクト向けです。近接温度が高い作動圧力に迫る、効率的でコンパクトなBPHEが必要とされるところには、どこでも利用できます。B649は、部品の磨耗や破損なく、ガスケット式PHE同様の能力を提供します。サポート設備、フレームなどの多くの材料を使用する他の技術に比べ、B649 の材料の95%は熱伝達に使用されます。25バールの高圧クラスを含め、異なる3つの圧力クラスで利用可能なB649 は予備部品、スペース、エネルギー消費、輸送や設置における資金を節約します。

熱交換器は新しいモデルでは初めて商業生産されたものですが、SWEPはKHK(高圧ガス保安協会)から設置に間に合うタイイングで認可を取得することができました。「大型プレート枚数(294と390プレート)が実に映えています」と、ミサキ・セイイチロウは語ります。結果は、これまでのところ大成功といえます。2013年11月末には、エルテック社の工場で大パーティーが開催されました。「多くのお客様をサイトに招待しました。

誰もがすばらしい工場に感動し、祝福してくれました。SWEPは信頼できるパートナーでありサプライヤーです。」と、オサムは語ります。



開発は進行中 


ORCアプリケーションは液体廃熱源を使用しますが、第一実業社は温度と圧力を増大することで、代わりに蒸気源を使用することに注目しています。熱源は同じですが、発電の優先順位が高く、このためシステムは高温でのエネルギーを利用します。システムには蒸気が全部または一部凝縮されるカスケードプロセスを介してエネルギーが供給され、一方で作動液体は蒸発します。通常、蒸気の作動温度は265-355°F/130-180°Cですが、原則として上限はありません。最大のエネルギー効率と優れたシステム性能を提供するよう設計された、すべてのスウェップ社のBPHEは、最低温度140-160°F/60-70°Cでも使用可能です。このことによりソーラー発電のような限られた温度での再生可能エネルギー源のまったく新しい可能性が開けます。そしてスウェップ社は間違いなく未来の開発の一部となるでしょう。