マサチューセッツ大学 Albert Sherman Center

マサチューセッツ大医学部が、2013年早期にマサチューセッツのウースター校キャンパスに最先端のAlbert Sherman Center に4億ドルかけると発表した際、これにより同校は「新しいバイオメディカル研究、医学教育、キャンパスのコラボレーションの時代に入る」と言われました。現地でよく見かけられる暖かく、湿度の高い夏季に、いかにして11階建ての51万2000平方フット(47,560平方メートル)の建物を冷却するかという点でコラボレーションは卓越した役割を果たすことになります。

そのような協力的取り組みは建物の冷却システムの運営責任を持つマサチューセッツ大学建築当局(University of Massachusetts Building Authority)のニーズにより推進されました。同局は建物の冷却システムの運転に責任をもっていました。そして、スイスを本拠とするザンクト・ガレンの高パフォーマンスエネルギー回収システムのデベロッパーおよびプロバイダーである Konvekta AG の能力はこうしたニーズに応えられるものでした。

「Sherman Center を開設したとき、冷却能力を追加する必要があることは分かっていました。そうした時に、Konvektaを推奨する人がいました」と、ユーマスミド・スクールの施設管理部のシニアメカニカルプロジェクトマネージャーの David MacNeil は当時を思い起こします。「同社のシステムを見たところ、とても気に入りました。」

次のステップを踏む

Konvekta は、夏の暑い時期に十分な冷却を確保するには Sherman Center には2つの専用空気処理ユニットが必要であると決断しました。次に2つの空気処理ユニットが運転している際に生成される熱を効率よく回収する熱交換器の種類を決定しました。Konvekta はブレージングプレート式熱交換器(BPHE)技術を選択しました。

BPHEの設計と性能は、ガスケットプレート式熱交換器などの競合技術より優れています。BPHE は波型チャネルプレートと各プレート間のロウ材とがパッケージになった構成になっています。真空ろう付け工程の間に、ロウ材がプレート間のすべての接触点にロウ付け接合を形成し、媒体が流れるチャネルを作成します。これにより異なる温度の媒体が近接近するようになり、一つの媒体から別の媒体へと温熱または冷熱が効率よく伝達されます。

コンセプトはその他のプレート&フレーム熱交換器技術と似ていますが、故障や漏れにより潜在的に高価な清掃、メンテナンス、取替コストを招きかねないガスケットとフレーム部分を必要としません。

左のガスケットプレート式熱交換器(GPHE)は旧式の熱交換器技術であり、右のより新しいブレージングプレート式熱交換器(BPHE)のコンパクトサイズに比べると、はるかに大きくなっています。

その他の冷却アプリケーションにおける BPHE の優位点には、コンパクトサイズ、より高効率の運転、柔軟な設置、自動清浄機能、低ライフサイクルコスト、あらゆる独自の設置ニーズを満たすようにカスタマイズできる能力などが挙げられます。

Konvvekta の販売マネージャーである Simon Buehler は空気処理ユニット向けにBPHEを推奨するだけでなく、1983年以来、HVAC 市場と産業市場へ向けたBPHEの世界のトップサプライヤーであるスウェーデン、ランズクローナのスウェップ社からのBPHEを特に推薦しました。

「弊社のスウェップ社とのビジネス関係はかなり前にドイツで始まりました」と、Buehler は語ります。「今日、スウェップ社は弊社のBPHEの主要サプライヤーとなっています。優れたSWEPソフトウェアパッケージ(SSP)計算プラットフォームにより、エンジニアはプロジェクトに適切なBPHEを選択することがとても簡単にできます。」

SSPはウェブベースのアプリケーションで、ユーザーが高度な熱交換計算を行うことを可能にする独自のソフトウェアです。予想作動条件(流体温度、圧力、希望の流量)を入力するだけで、SSPは直ちにこれらの要件に最適のBPHEモデルをリストアップします。

Sherman Center の空気処理ユニットには、Buehler と Konvekta はB50H BPHEのペアを設置することが推奨されました。B50Hモデルは最高の選択肢といえます。なぜならスウェップ社はこれらを要求の厳しいアプリケーションで使用できるよう設計しているためです。3つの異なるプレートの組み合わせと2.5インチ(63.5ミリメートル)の接続継手を持つB50 Hモデルは、56m3/hr (246 gpm)もの流量を必要とする高容量のアプリケーション向けの理想的ソリューションです。

「スウェップ社のBタイプの熱交換器は、冷却システムでのエネルギー、材料およびスペースの使用を最適化できます」と、Buehler は語ります。「Bタイプはコンパクトで、他のソリューションより低コストで、耐久性があり、高い熱伝導性能を持っています。B50Hモデルはまた、低い圧力損失、高フロー、また2つの媒体間の温度差が通常非常に小さい場合の運転に最適です。Sherman Center では、冷却水入口と水/グリコール出口の間の温度差はわずか4 ºFです。」

結論

スウェップ社の BPHEは、2015年半ばに空気処理ユニットと一緒に運転され始めました。MacNeil によれば、以来、障害なしに運転しているとのことです。

「これを必要とするのは、外気が華氏97度(摂氏36度)と非常に暑く、湿気が高いときだけです。そうした時に BPHEからの保追加の冷却を必要とします」と、MacNeil は語ります。「とても簡単でよく機能します。設置するだけで、あとはまず問題ありません。間違いなく私たちのニーズを満たしてくれます。」